初めから生田さんを受け入れてた?
私が…?
「前に居たホテルでセクハラに遭って、過呼吸起こすくらい精神的にも参っていたあんたが、毎朝待ち構える生田さんに、嫌悪感さえ感じて無かったんじゃない?
そうじゃ無かったら、自分に好意を持ってる男の人と、屋上で二人きりなんて怖くてなれないよ?」
「・・・・・」
私が…
とっくに生田さんを好きだった…?
そんな前から…
「それに、いくらお人好しのあんたでも、好きでもない人を家に入れたりしないでしょ?
だから、側に居たいって言ったんでしょう?」
解らない…
「でも、最初は…生田さんが困ってるって言ったからで…
私が側に居たいって言ったのは…
生田さんを尊敬してるし、あの人にとってSAKURAホテルは、大切だと思ったから…」
「それ、それよ!
勿論、私だった生田さんの事、尊敬してるよ?
でも、生田さんがSAKURAホテルを大切に思ってるかなんて考えた事ない。考えたとしても、自分を犠牲にして迄、生田さんを守ろうとは思わない」
自分を犠牲…?
あの時は、自分を犠牲にするとかそんな事、考えて無かった。
気がついたら勝手に喋ってて…
「でも、真美はゼネラルマネージャーと話した時、生田さんを処罰するくらいなら、自分を処罰してくれって言ったんでしょう?」
「それは…
SAKURAホテルにとって、無くてはならない人だっと思ったからで…」
「まぁ…生田さんが凄い人だって事は、誰でも認めてる事だと思う。
でも、その生田さんの側に居たいって、真美は宣言したんでしょ?」
「宣言って…」
「どうせ、もうする事もしてんでしょ?」
することって…?
「えっ!?
ちょ、ちょっと待って!
私達、何もしてないよ!」
“ 嘘っ ” と、驚くさっちゃんに、私は顔を振って、キスすらしてないと言う。
そんな私を見て「生田さんって不能なの?」とさっちゃんは真顔で聞く。
不能…?
「そ、そんな事、私が知る訳無いじゃん!
不能かどうかなんて、そんな事どう知るのよ?」
「側に居たいとまで言ってくれた好きな女と、一緒に住んでたら、普通手くらい出すでしょ?
それも、まだキスすらしてないって、どんだけお子様なの?
今時、幼稚園児でもキスくらい直ぐするよ?」

