落ち込む私を諭す様に、さっちゃんは話し出した。
「いくら真美が恋愛に否定的でも、大切な人を心配する気持ちくらい分かるよね?」
「う、うん…」
「普通…少しでも好意を持ってる人に心配されて、迷惑なんて言わないよ?」
「違うの!
あれは…心配してくれるのが迷惑なんじゃなくて、生田さんがあまりにも過保護っていうか…
私だって子供じゃないし…
自分の事は自分で出来る。
生田さんも忙しいのに、余計な心配させたくなかったの…」
「あのね?
どんなに忙しくても、仕事とプライベートは別!
そんな事、生田さんならなんとでも時間のやりくりするし、上手く立ち振る舞うよ?
それに、生田さんの立場からしたら、心配して当たり前でしょ?
あんたの家に転がり込まなきゃ、今回の事件は起こらなかったんだよ?」
「事件って…」
「事件でしょ!
過呼吸起こすくらい、真美を苦しめたんだから?
友達の私でさえ腹が立ったのに、あんたを好きな生田さんなら、もっと腹が立ったと思うよ?
自分に対してもね?」
「え? 何で生田さんが自分に腹立つの?」
生田さんが転がりこまなきゃ、私がペットショップに行く事は無かったし、散歩で律子さんに会う事も無かったと、さっちゃんは言う。
確かに、さっちゃんの言う通りかも知れない…
「だからって、生田さんが責任感じるなんておかしい!」
「真美、自分が反対の立場だったら、どうした?」
「私が…反対の立場…なら?」
反対の立場なら…
もし…自分のせいで、誰かを危険な目に遭わせたなら…
きっと、自分を責めたと思う。
「真美は恋愛初心者だから、わからないかも知れないけど、愛する人を傷つけたりすると苦しいんだよ?
況してや、自分のせいで傷ついたなら、自分が傷つくより何倍も何十倍も苦しいもんだよ?
真美も、もう分かってるんじゃない?」
「え?」
「真美はさ、初めから生田さんの気持ち受け入れてたんじゃないかな?」

