ワンちゃんの食事が終わると、生田さんは彼(犬)にお水を出してあげた。

「あっごめん! 喉乾いてたよね? 散歩行ってたんだもんね? ごめんね?」

私は、彼(犬)を撫で、彼の寝床などのスペースをつくってあげた。

「そろそろ、俺達も飯食べようか?」

美味しそうな匂いがしてると思ったら、生田さんが食事の用意をしてくれていた。

え? これって…
「ビーフストロガノフ? 生田さんが作ったんですか?」

「まぁね? 味も結構イケてると思うけど、君の口に合うと良いんだけど?」

「有難うございます。 頂きます!」

「ワインも有るけど、どう?」

「いえ、明日仕事がありますので、遠慮します」

「一杯だけなら?」

私はお酒が嫌いなわけでは無い。
ただ、あまり強くない為、仕事が休みの前日以外は飲まない事にしてる。

「いえ、仕事が休みの前日以外は飲まない事に決めてますので、生田さんは気にしないで、飲んでください」

生田さんは真面目だな?と言って、自分のグラスにワインを注いだ。

「このビーフストロガノフ、凄く美味しいです!
生田さんって料理得意なんですね?
朝のフレンチトーストも美味しかったし?」

「親が忙しかったからね…自然に身についたって感じかな?」

「生田さんのご両親は何をされてたんですか?」
あ、聞いちゃマズかったかな?
もしかして、辛い想いされたかもしれないのに…

だが、私の心配をよそに、生田さんは「僕に興味出て来た?」とにっこり笑う。

はぁ? 別に興味なんて…

「別に答えて頂かなくて結構です。
私、他人に興味ないですから!」

「興味無いって寂しいじゃん?
折角一緒に住んでるんだから、お互い興味持とうよ?」

そんなの要らない。

「生田さん、ルール決めましょう!」

「え?」

私は、一緒に住むにあたっての、ルールを決める事にした。

「1つ、絶対、二階には上がって来ない!
2つ、食事は各自ですませる。
3つ、互いのプライベートにはけっして、口を挟まない!」

「えっ? 一緒に住んでるのに、食事は別なの?」

「家賃も光熱費類もいりませんが、3つのルールが守れないなら、今すぐ出て行ってください!」