さっちゃんの話を聞いて、私は更に深田恭子さんと言う人の事に興味が湧いた。
もっと彼女の事が知りたい。
彼女に会ってみたい…
でも、今彼女は何処に居るんだろう…
「ねぇ、その話っていつ頃の話?」
「えー…よくは知らないけど、最近の話じゃないことは確かじゃない?
だって、総帥の次男って、確か2年くらい前に海外に留学してるでしょ?」
私もそれは聞いた事がある。
「ねぇ、インターンシップって二年だよね?」
「うん。確か2年って聞いたよ?」
「じゃ、もう帰って来てるか、もうすぐ帰ってくるんじゃない?」
通常、インターンシップを終えた者は、元の部署に戻って来ることになっている。
「さぁ、どうだろう?
だって、婚約破棄したのに帰ってこれる?
それも、相手が相手だよ?
いくら、給料出してくれてたとは言え、帰ってこれないでしょ?
もし、帰って来たとしても、会社だって元の部署にはつかせないでしょう?」
インターンシップは、SAKURAホテルの社員として行っている為、給料の支給は通常通り支給される。勿論、スイスのホテルで働いているのだから、あちらのホテルからも給料は出る事になってる。そう。ダブルで受け取る事になる。
それだけ、彼女は優秀と言う事だ。
「そんなに気になるなら、もう少し詳しく調べてあげようか?
本社の人事に知ってるこ居るから?」
「ううん。
十分凄い人だって解ったから、もういい。
有難う」
これ以上調べて貰ったところで、自分との差を思い知らされるだけだ。
惨めになる前に、やめておいた方がいい。
「そろそろ帰ろうか?」
支払いを済ませて店を出ると、雨が降り出していた。
あー…もう降り出してる。
鞄から折りたたみ傘を出し、傘をさして駅へと向かう。自宅近くの駅に着くと、小雨だった雨は本格的に降り出していた。
「災厄…」
明日も雨…?

