私とさっちゃんは、途中入社でその噂の研修には参加してない。
そんな大変な新人研修の中で、優秀な人材を掘り出すのが指導員の仕事だ。
「らしいよ? で、もっと凄いの!
あのゼネラルマネージャーが、その深田さんを見込んで、バトラーに抜擢したんだって! いずれコンシェルジュにする為に? 勿論エグゼクティブフロワーのね!
で、で、ここからがもっと凄いの!
ねぇ、聞きたい?」と言ってさっちゃんは、またもやニヤっと笑う。
「もぅ! 勿体ぶらないで、話しなさいよ!」
さっちゃんは、目ん玉飛び出るよ?と、前置きしたうえで話してくれた。
バトラーになって、深田さんが最初に担当したのが、総帥の次男だったと言う。
それも、総帥の次男直々の指名だったと。

