休み明けから、恭子さんによるバトラー教育が始まり、今までとは違って私は忙しくなった。
今までの様なシフト制ではなく、一人前になるまではと、朝から晩まで恭子さんの教育を受け、家に帰ってもお茶や紅茶の淹れ方の実技の復習に加えて、語学の勉強もある。
最近は、稀一郎さんより私の方が部屋に篭ってる状態だ。
数ヶ月が過ぎた頃、流石に疲れも溜まって来ていた。
「真美、頑張り過ぎだぞ?
目の下クマができてるけど、ちゃんと寝てるか?
昨夜は何時に寝た?」
「…ん?…うん?…」
「真美!」
「え? なに? 稀一郎さんなんか言った?」
「これは強制執行だな!」
強制執行??
なにそれ?
「えっ! ちょっと稀一郎さんどこ行くの?
私、まだフランス語の勉強が…」
稀一郎さんは私を抱き抱え、2階へと向かった。
「フランス語なら、ベットで俺が教えてやるよ?」
稀一郎さんはベットで教えてやると言っときながら、
「Je t'aime《愛してる》」と一言だけ言って、キスをすると私の服に手をかけた。

