「あっそうだ! 1つ聞いてもいい?」
「ん?」
「稀一郎さん、恭子さんの前で裸になった事ある?」
「はぁ? 彼女の前で裸に?
あるわけ無いだろ?
彼女にプロポーズはしたけど、男女の関係になった事ないし、慰安旅行的な物はうち会社はないから、海に一緒に行った事もない」
じゃ、なんで恭子さんは、知ってたんだろ…?
稀一郎さんのホクロ…
「まさか、まだ疑ってるのか?」
「ううん。疑って無いけど…恭子さんが、稀一郎さんのこのホクロの事知ってたから…」と言って、私は稀一郎さんのホクロを指でなぞる。
「なんの意図があって言ったか知らないけど、彼女にも困ったもんだな!
多分、柊真から聞いたんだろ?
昔、アイツにからかわれた事有るからな?」
稀一郎さんと桜花崎さんは、学生の時海に一緒に行って、ホクロの多さをからかわれて、マジックでイタズラされたと言った。
「えっ! あの桜花崎さんがイタズラ?」
「アイツ結構馬鹿だからな?」と稀一郎さんは笑った。
「全然そんな風に見えない」
「恭子さんも随分変わったみたいだな?
真美を悩ませる様な事言うなんて?
イタズラにしても程がある。
まぁ、似た者夫婦って事かな?
それでも、お灸は据えてやるけどな?」

