あれ、ここは…どこ?
うっ頭が痛いよ…

えっと昨夜は…
確か恭子さんと呑んでて…
それから…それからどうしたんだろう?

えっ!
なっなんで、私裸なの?
この人誰!?

知らない部屋のベットに裸で…
隣には裸の男の人が…っ
ちょっちょっと離して!

私を抱きしめる腕からなんとか抜け出し、部屋を見渡せば、ここはうちのホテルのセミスイートの部屋だった。

昨夜は、恭子さんと色々話して、稀一郎さんとの仲は私の誤解だとわかって…
思いもしなかった恭子さんからの申し出に、あまりの嬉しさに、その後も恭子さんとホテルのバーで飲んで…
その後…私どうした?
え? えっ! やだ! わかんない…

嘘っ?
イヤッ!
ま、まさか… 私、この人としちゃったの…?
酔っ払って、この男《ひと》と…

酔って正体を失っていたとはいえ、知らぬ男《ひと》と体の関係を持ってしまった恐怖に、悔しさと悲しさ、そして稀一郎さんへの罪悪感でカラダが震え、涙が溢れてきた。