そして、私にはもう一つ、気がかりになってる事がある。それは、恭子さんの事だ。

「ゼネラルマネージャー、お尋ねしたい事が有るのですが、お時間頂けないでしょうか?」

以前、ゼネラルマネージャーだった桜花崎さんが、専務になり、席の空いていたゼネラルマネージャーへ、帰国したその日から深田恭子さんが就任したのだ。

「じゃ、19時に?」

時間を頂けると言う事で、少し気持ちに不安と迷いは有ったが、勤務後少し時間を潰してから、ゼネラルマネージャーの部屋へと寄らせて貰った。

「ゼネラルマネージャー」

「あー私、堅苦しいのは嫌いなの、恭子で良いわよ?
公の場では、嫌でも弁えなくちゃいけないけど、二人っきりの時は、名前で呼び合いましょう?」

え?
ホントに名前で呼んで良いの?

「…じゃ、恭子さん…?
恭子さんが戻ってこられて…半年以上になりますけど、結婚式の準備は…」

恭子さんが戻って来た日
稀一郎さんからは、桜花崎さんと恭子さんが結婚すると聞いていた。
だが、二人とも仕事の忙しい人達の為、なかなか準備も進まないだろうから、結婚式の準備や、彼女の相談相手になってあげて欲しいと、稀一郎さんに頼まれていた。

「は?」

え?
「あ、えっと、すいません。
…以前、生田に結婚式の準備の手伝いや、恭子さんの相談に乗る様に言われてて…私なんかじゃ、相談相手にならないって言うなら、そう言って頂いて構わないのですが…」

私の申し出に、恭子さんは少し険しい顔をした。

えっ?