稀一郎さんは何度も私へ謝ると、何を思ったか桜花崎さんを部屋から追い出すと、私を抱きしめ想いの全てを込めたキスをしてくれた。

「真美、俺の気持ちは何があっても変わらない。
僕は、真美だけを一生愛して行くって誓ったろ?
もう忘れたの?」

そうだった。
何度も言ってくれた、愛の誓い。
この人は、嘘はつかないと思ったから、結婚したのに…
私、何をグダグダ悩んでたんだろう。

「ごめんなさい…
あなたの気持ち知ってた筈なのに…
深田さんが凄い人だと聞くたびに、不安になって…
自分を見失ってた」

「じゃ、もう大丈夫?」

私は頷き、稀一郎さんに微笑んだ。

「今夜少し遅くなるけど、真美のベットで寝て良い?」

「良いけど、エッチは無しね?」と言うと彼は頬を膨らませ拗ねてみせた。

稀一郎さんがこんな顔を見せるのは、私の前だけ。それが嬉しくて、数分前迄の私とは違って、心弾ませ、私は仕事へと戻った。

私が仕事に戻った後、桜花崎さんは稀一郎さんから、随分怒られたと後で聞いた。