俺はそう言って頷く。今日は世界平和対策本部のメンバーたちや、俺の本職である警察官の同僚、レムが遊びに来る。

すると、「一緒に探検してくる」と次男のグリシャが言った。

「ダメだ!!」

俺は大きな声で言っていた。トバイアス・ジョーンズやロバート・ホズマーが脱獄しているというのに、そんな危険なことを許可できない。

俺が思っている以上に大きな声だったらしく、賑やかだったリビングは一瞬にして静まり返る。しばらくすると、ベビーベッドから泣き声が聞こえてきた。次女のソフィアだ。

「ソフィア!」

クリスタルが調理の手を止め、ソフィアをあやす。

「何で探検しちゃダメなの?」

グリシャが恐る恐る俺に訊ねる。クリスタルは心配そうな顔で俺を見ていた。俺はゆっくりと口を開く。

「ギール国で囚人が二人脱獄した。ジャック・グラスの手下だ」

クリスタルの目が大きく見開かれる。しかし、子どもたちは何も知らないためか、首を傾げている。

俺は子どもたちに全てを話すことにした。