「そんなこと言っても大丈夫なんですか?」
「家族でも、意見が食い違うことはありますよ。
宮園泰造の息子だから歴史に詳しいだろうとか思われることもありますが、全然そんなことはなくて、中学の歴史のテストで0点をとったこともあります」
「0点!?どうやったら0点ってとれるんですか」
突然のカミングアウトに思わず声が裏返ってしまう恵巳。さすがの恵巳も、今までのテスト人生で0点を取ったことはなかった。
「白紙で出せば、簡単です」
「そんな、攻略法みたいに言わないでくださいよ」
あれは…、と、拡樹は遠い目をして学生時代の回想を始めた。マイペース、というのは本当らしい。
「中学校に入学して初めてのテストでした。縄文時代とか、弥生時代を最初に勉強するじゃないですか。でもその辺の歴史には全く興味が沸かなくて、テスト当日まで教科書をまともに開いたことがありませんでした。そしたら見事に0点です。
だけど、江戸時代にまで進んで新選組なんかが出てきたら、刀も関連してきて、一気に歴史の授業が好きになりました。その時のテストは100点でしたよ」
「0点から100点!?」
信じられないと、そのふり幅の広さにただただ驚いた。だが、話を聞いていると全くわからない話というものでもないような気がしてきた。どこか自分と通ずるものを感じていたのだ。
和歌に取りつかれてからというもの、現代文よりも古文の方を多く読みすぎて、一時期はまともに現代語が上手く話せなくなったなんてこともあったのだ。例えていうならば、古語と現代語のバイリンガル。そのことを思い出した恵巳は、実は…、と自らの思い出も話した。
「家族でも、意見が食い違うことはありますよ。
宮園泰造の息子だから歴史に詳しいだろうとか思われることもありますが、全然そんなことはなくて、中学の歴史のテストで0点をとったこともあります」
「0点!?どうやったら0点ってとれるんですか」
突然のカミングアウトに思わず声が裏返ってしまう恵巳。さすがの恵巳も、今までのテスト人生で0点を取ったことはなかった。
「白紙で出せば、簡単です」
「そんな、攻略法みたいに言わないでくださいよ」
あれは…、と、拡樹は遠い目をして学生時代の回想を始めた。マイペース、というのは本当らしい。
「中学校に入学して初めてのテストでした。縄文時代とか、弥生時代を最初に勉強するじゃないですか。でもその辺の歴史には全く興味が沸かなくて、テスト当日まで教科書をまともに開いたことがありませんでした。そしたら見事に0点です。
だけど、江戸時代にまで進んで新選組なんかが出てきたら、刀も関連してきて、一気に歴史の授業が好きになりました。その時のテストは100点でしたよ」
「0点から100点!?」
信じられないと、そのふり幅の広さにただただ驚いた。だが、話を聞いていると全くわからない話というものでもないような気がしてきた。どこか自分と通ずるものを感じていたのだ。
和歌に取りつかれてからというもの、現代文よりも古文の方を多く読みすぎて、一時期はまともに現代語が上手く話せなくなったなんてこともあったのだ。例えていうならば、古語と現代語のバイリンガル。そのことを思い出した恵巳は、実は…、と自らの思い出も話した。


