五十嵐拓成
背が高くてイケメンで
銀縁メガネのの奥に隠れた切れ長の涼しい目

ニッコリ笑うシャイな一面。
ギャップがたまらない。
スッとした立ち姿は
どこぞの令嬢方も一目見ればポーッとなる。


そんな拓成もお年頃
見合いの話がおしよせる。
仕事を理由に見合いを断り続けるが限界が来ていた。

舞香に断り二、三人と見合いをする。
拓成は、断られるように仕向け
何人かは引き下がった。

ギャンブルが趣味だの、
夜遊びが好きだの..

遂に親父がキレた。

「お前‼取り引きに問題が起きる
だろ!」


「だったら見合い持ってくるな‼
自分の嫁は、自分で、さがすから‼」

「勝手にしろ‼」

親父は何とか説き伏せた。
業務成績も鰻登りだ、文句は言わせない。

来年舞香の卒業を待って結婚する。
何人かの友人には、話してある、
だから変な見合い話が出たら断る
ように根回ししている。

ある日、祖父の康成の友人が娘を
連れて乗り込んで来ていた。

祖父の康成は、温厚な性格で、仕事では頼りにされ辞めたくても辞められず82歳になった今も会長として君臨している。

白髪の髪は七三でまとめ昔は高かった身長も大分ちぢんでいる。
顔は拓成によく似ていて昔は
モテたようだ。


「おう‼山本どーした。
この間会ったばかりじゃないか?
さては、温泉の誘いか?」

「いやいや今日は、話があってな‼」
康成と同じ背丈の同級生である山本は
色黒く如何にも建設会社の社長という感じだ。

「こんにちは。おじ様、杏です。」

「おお、可愛らしいお嬢さんじゃないか。
今日は何事だ。」
「いや〜娘が拓成君を雑誌で見てな‼
偉い気に入ってな‼
どうだろう。」

「お父様。恥ずかしい。」

「 あぁ‼拓成も、もうすぐ帰る頃か?
こういう事は、本人同士で話したが
早い。」
ニッコリ笑う康成に焦れったさを感じた。
「そうだ杏、会社をみせてもらいなさい。
康成は、色々やっているから
勉強になるぞ‼。」

父、山本巧の言い出しに杏は、
目を輝かせ
「うわあ、嬉しい。
嫁ぎ先の会社見学なんて、嬉しい。」

「ああ、なら秘書に案内させよう。
しかし拓成がなんというかな?」

「大丈夫だよ。
お前が勧めてくれたら、長年の友だろ‼
お前と親戚なんて、なぁハハハ
それに杏も親の目から見ても

いい女だと思うぞ。
拓成君も気にいるさ‼」
ハハハハ
杏は秘書を従えて会長室をでた。