髪を撫で背中をさする。

「ごめんなさい。
大きな声聞くと固まっちゃって
ご馳走様。」

俺は又ホッとしながら
「ベッドに横になりな‼」
そうすすめたが帰る‼ と言い出
した。

気まずい雰囲気に舞香を止める事が
出来ずしかた、なくタクシーを30分後
に予約した。


頼れるお兄ちゃん。

私の彼氏

怖いお人

に成り下がってしまった。

少しウトウトし始めたらゴソゴソとベッド下から音がした。

暫くきずかぬフリしていたら
「あったァ!」
と声がした。

薄目を開けて覗いていると
ピンクのパンプスを抱え通過。

その時気付いた。
あれは酔った勢いで寝てたんじゃなく、
俺を探し回らせて楽しんでいたんだと‼

必死で探し回った自分が舞香に踊らされていたのだと可笑しくなった。

「ぷッぶははははー」
パンパン
俺は膝を叩きながら自分のまぬけさに
大笑い。

ドアの隙間から小さなくちびるがみえた。

「ああ‼そうなるのかー」
まるで小悪魔の囁きに聞こえてくる
可愛らしい声。

時々、ズルッ、ズルッ
モグモグ、
覗きながら食事再開した模様。

タクシー呼ぶのはもう1時間後だ。
キャンセルの電話をいれる。

舞香には、振り回され
付き合っても軽く遊ばれ
本気に思ってくれるのか?
そう思いながら目をつむる。


「五十嵐さん。タクシー来たから
帰る‼
で‼私達の関係ってどうなったの?」

舞香のアッケラカーンとした問いかけに
むかつきながらこたえる。


「保留中」
冷たく言った。


「ごめんなさい。
今まで通りでいいの?
またお店にハブりに、来るの?
プリンもらっていい?」

なんで話がプリンで締めくくられる?
微かな疑問をかかえながら..

「どーぞ」
カチャカチャカチャカチャ
と音がした途端舞香はパタンと音を立てて
部屋をでていった。

「ふう〜」

だるい体を起こしてキッチンへとむかう。

冷蔵庫を開けて水を飲もうとしたら..

「無い?無い?無い?
俺の好物の
ツネが作ったプリンが..

10個あったはずなのに
1個も無い‼」

「ほ、ほ、保留は、取り止めだ‼
食い物の恨み、思いしれ。

普通持って帰るのは1個か2個だぞ‼
全部、ぜーんぶって、考えろー(怒)」