「アポロ〜!!行くぞ〜!!」

朝と夕方の散歩はヨースケくんの仕事。朝は五時に起きて、ヨースケくんは散歩に連れて行ってくれる。僕は一時間以上散歩をしないと運動不足になってしまうからね。

ヨースケくんは、僕にいっぱい話しかけてくれるんだ。

「アポロ、この間本で読んだんだけどな……」

雨上がりの道を歩きながら、ヨースケくんが僕に話しかける。空には七色に輝く光の橋。虹って言うんだって。

「動物は、死んだら虹の橋って呼ばれる場所に行くんだってさ。そこはとても幸せな場所なんだって!」

ヨースケくんは虹を指差す。死って何かわからないけど、僕はヨースケくんと一緒にいられるなら、それだけで幸せだよ。

そう言いたかったけど、僕は話せずただ尻尾を振るしかなかった。

ヨースケくんは、僕をよくヨースケくんの友達と一緒に公園へ連れて行ってくれる。そこでボール遊びをしてくれるんだ。

「アポロ!!取って来〜い!!」

ヨースケくんの友達がボールを投げる。僕は地面を蹴り、宙を飛んでいくボールを追った。