「ゴールデンって大型犬だろ?散歩とか面倒だしさ〜。もっとちっこいやつにしようぜ!チワワとかトイプードルとかさぁ」

お兄さんがそう言うと、お姉さんは、「トイプードル!かわいいよねぇ」と言いながら僕の前から去って行った。

こんなこと、もう慣れているんだ。僕は周りの子たちより、大人になったら体が大きくなるらしい。そのせいで、家族にしてもらえない。

「よう!俺、家族決まったんだ!お前も早くいい家族と巡り会えよ!」

隣にいる柴犬が僕に言う。彼とは仲良くしていた。そうか……。

「おめでとう。幸せになってね」

僕がそう言うと、彼は幸せそうに笑った。

それから数日が経った。僕は今日も、家族を探し続けている。ダックスくん、パピヨンちゃん、マルチーズちゃん、ビーグルくん……。周りの子は今日も家族と巡り合い、この場所から去って行く。

僕には、家族は見つからないのかな……。そんなことまで考えてた。このまま家族が見つからなかったら、僕はどうなるんだろう。不安にもなり始めていた。