お母さんは、ヨースケくんが帰って来なくなった日からヨースケくんのご飯を用意しなくなったんだ。ヨースケくんのことを諦めちゃったのかな？もう帰って来ないって思ってるのかな？

そのことを考えるたびに、僕の胸は不安でいっぱいになるんだ。まるでペットショップにいた時みたいに……。

ヨースケくんを待って、どれくらいの時間が経ったんだろう……。僕は時計がわからないから、時間なんて知らない。でも、ヨースケくんを待ち続けるって決めたんだ。絶対に会ってみせる！

でも、どれだけ待ちたいと思っても、運命には抗えないみたいなんだ。

「アポロ！！」

「待って！！お願い！！……行かないで！！」

お父さんとお母さんが泣いてる。ポタポタと僕の体は、二人の涙で濡れていく。ごめんね、また泣かせちゃった。もう悲しんでほしくなんてなかったのに……。

横たわったこの体は、もうどれだけ動きたいと願っても動かない。だんだん眠くなってきた。

そうか……。これが死ってものなんだ。僕はこの二人を置いて行っちゃうんだ。