季節は巡っていく。ヨースケくんが見つからないまま、僕は歳をとっていく。
「アポロ、白髪が増えたなぁ」
「すっかりおじいちゃんね」
お父さんとお母さんが僕を撫でながら言う。最近は、体も少しずつ動かしにくくなっていた。もう僕は十三歳だ。なんでお父さんたちはこんなにも元気なんだろう……。
散歩もゆっくりになって、ご飯もあまり食べられなくなった。困ったな。ヨースケくんが帰って来たら、一緒に散歩に行きたい。一緒においしいご飯も食べたいし、またボールで遊んでほしい。元気でいられなきゃ困るよ……。
自転車が通っても、素早く窓へ移動できないから僕は窓辺で一日を過ごすようになった。でも、自転車の音も聞きづらくなってしまった。
ヨースケくん、会いたいよ。また一緒に海に行きたいし、桜も一緒に見たい。ヨースケくんのことが大好きって伝えたいんだ。
でも、やっぱり今日も帰って来るのはお父さんとお母さんだけ。


