電話を掛けると、
『はーい もしもし?』
璃来の声が聞こえてくる。
女子にしては低めのその声を聞くと、安心する人はかなり多いらしい。
そのお母さんのような雰囲気の効果もあってか、
クラスのみんなは、相談事があると必ず璃来の所へ行く。
恋愛相談、人生相談、人間関係の事まで。
まあ、俺も相談してるけどね。
その相談事を全部聞いている璃来は凄いな、と素直に感心する。
『で? 何で怒られたの?』
「親睦研修、璃来と一緒の班だって言ったら怒られた」
『え 馬鹿なの?』
容赦なく切り捨てられる。
『未来先輩以外の女子の話は基本しなくていいの。』
『てか、しちゃダメでしょ。』
「やっぱそうっすか...。」
『ていうか!何 私まで巻き込んでんの!?』
「すんません。」
こうやってテンポのいい会話ができるのも、一緒にいて楽しいポイントだと思う。
『じゃあ 切るよ また明日ね』
「おう」
簡単に電話を終わらせると、
俺は未来先輩に詫びのメールをいれた。
[ 私もごめん ]
素っ気なく返って来たメール。
それだけでも俺はにやけが止まらなかった。