樹の彼女は、幼なじみで1つ年上。


小柄で可愛らしい感じの人。


名前は南田 未来(みなみだ みらい)さん。


私が見る限り、樹が未来さんにデレデレって感じで。


未来さんは恥ずかしがり屋さんのようで、


樹に少し冷たい。いわゆるツンデレなのかもしれない。


だけど、本当にラブラブだと思う。




入学式から1ヶ月と経っていないのに、


1年生の教室前の廊下はカップルで溢れ返っている。


いいな。羨ましいな。


恥ずかしそうにはにかみ合っているカップルを見るとそう思う。


でも、私の性格上、付き合ったとしても


あんな雰囲気は出せないんじゃないかと最近思う。




そんな事を考えていると、後ろからドーンと誰かが抱きついて来た。


私の中学生の時からの親友、舞子だ。


ややお嬢様気質でワガママだけど、純粋でいい子。


私が中学校時代に女子の輪から外されていた時も、私から離れないでいてくれた。


高校に入ってクラスが別れてしまったけど、


今もよく一緒にお昼を食べたり、登下校したりする。


「璃来~ 聞いて~」


人見知りが激しい舞子は、まだクラスに馴染めないようで。


「璃来の顔見ると安心する~」


なんて、笑顔で言う舞子といると本当に楽しい。