ボクのお話。

それより、なんで今更そんな噂が出てきたんだよ。
あれから何ヶ月も経った。
それなのになぜ。





イライラして、爪を噛む。



すると、複数名のは足音が聞こえる。




「まじ夏って最悪。汗でメイク崩れるじゃん?」




「それなー。あ、アイブロ貸して」




「あいよー。…ってか聞いた?凜の噂。」



「え、何。どんな噂?」




「あ、うちわかるよ!凜がキスした話でしょ?」




「あーね?!聞いた事あるかも、うちのクラスのあの、、ちっちゃい子にしたんだよね?」



「まじ?やーば!」



うるさい。それ以上言わないで。



「それな?確かに凜はかっこよくて、私去年まじ凜と付き合いたいとか思ってたけど、」



やめろ。黙れ。お願いだから、喋んないでよ。




「いや、それはやばいって!ここあくまでも『女子校』だからなー?!」






あははは、と動物園の檻の中のように汚い笑い声がトイレ中に広がる。



「いやぶっちゃけ?そこらへんの男よりかっこいいよ?…でも、女じゃん!!!きっも!」





お願いお願いお願い。お願いだから、もうそれ以上言わないで。
私は私は私は。




「そこ、どいてくれる?鏡の前で猿が集まってなにしてんの。うちの学校メイク禁止だから。手を洗いたいからどいて。」




思わず、個室から出てしまった。



「…え、待って。凜いたの?」


「今の聞こえてた、よね?」


「うちら、そんなつもりで言った訳じゃなくて」

「で、でもさ!ぶっちゃけ、ね?女が女を好きになるってどうなのかなーって、」




「ボクは女じゃない。」




ボクは男だ。女じゃない。
たまたま体が女の体だっただけだ。
心は男。





女達は吹き出しそうなのを我慢しているのがわかった。