人間が1番集まる場所、それはシブヤ。子供から年輩まで出歩く。空気なんてとても悪い。気持ちが悪くなる。誰も私なんて見えないから今まで空を飛んでたけど一休みするためあまり人間のいない場所に降りた。このまま人混みにいたらなおさらだし。
「はぁ気持ちが悪い。でもこの辺のカップルの喧嘩楽しいんだよねぇ。」
一人呟いていると私の目の前が陰に変わった。
「彼女一人?」
えっ!?私?見えないはずなのに、なんで!?
「そう一人だよー。なにー?ナンパー?キャハハ。」
私かと思えば私の隣に座っている女に話しかけていた。なんか浮かれている自分がいてムカつき隣でイチャつき始めた二人に成敗した。男には下半身丸出し。あまり周りに人がいないからと言っても全くとは限らない。あちこちで悲鳴が沸き男は急いでジーンズを着直した。女には腰かけている所が噴水の縁だったので女が立ち上がったときに滑らせて噴水に落ちるように仕向けた。見事大成功。女の姿はそれはそれはひどい。濃い目のメイクが崩れて化け物になっている。二人はその場に居れなくなったのか足早に去っていった。
「成敗、成敗っと♪」
また面白いのがみれたな。さて、次はどこに行こうか。
「…おい。」
また誰かを呼ぶ声。次は騙されまいとシカトをする。さっきのは別に騙されてはないけど気分的にそんな感じなので。
「おい。そこのお前、待てって。」
やけにしつこい男。私には関係ないけど。
「…シカトこくな。聞こえねぇのかよ、そこのコスプレ女。」
…なんかムカつくなぁ。こいつにも成敗してあげようかしら?私はその男の方に顔を向ける。すると驚いたことに男は私を直視していた。
「えっ!?なんで見えるの?…あっ、そっか。私を通り越して後ろの…」
独り言を放ちながら後ろを振り替える。しかし、女など誰一人いなかった。
「お前しかいないだろうが。」
そう言うと男は私の黒くて小さく可愛らしい羽を引っ張った。
「痛い痛い!放してよ。はーなーせーっ!」