トウキョウ。他の町よりはるかに高い建物がありウザいほど人も多い。
そんな中、私は人間界を自分の庭のように遊んでいた。
「ちょっと!あんた浮気してるでしょっ。」
おっ、あそこのカップル喧嘩してる。なんか面白そう。
「なわけないじゃん。俺はお前だけだって。」
都合のいいこと言っちゃって…あの男はたしか前にラブホから別の女と出てきてたの見たことあるな。女を騙すなんて許せん!ここはひとつ…
「俺はこの先お前の事しか…ん!?う、くく口が!」
私は男が言いかけているところで悪戯をした。もう男の口は私が操れるようになっている。
「そうだよ。浮気した。ってかさ、俺は元からお前と付き合ってるつもりなかったし遊び程度だったんだよねー。」
男の口は私に操作され、顔は徐々に青白くなっていく。
「ひどい!もういいわ。あんたみたいな最低なやつこっちから別れてやるわよ。」
女は怒りと悲しみを抱えた顔をし、持っていた飲みかけのジュースの缶を男に投げつけた。その瞬間に私は男から離れ自由の身にさせてあげた。男は女に振られたことより、ジュースの缶を投げつけられたことより今何が起こっていたかでパニックになっている。
「あんたが悪いのよー。女をオモチャにするからー。私から成敗成敗!」
気分が良くなった私はまたフラフラとトウキョウの中に入って行った。