「わ、ほんとだ!2人とも!試合、行かなきゃ!」
「や、やべ!向葵ちゃん、ありがと!」
「お礼を言うなら優月ね!」
私の後ろに隠れたままの優月を、2人の前に出す。
優月は恥ずかしそうに顔を赤らめて、もう一度私の後ろに隠れてしまった。
もう!人見知りの優月もかわいい!
悠真はお礼を言ったけど、白川くんはなぜか固まったまま。
不思議に思って、「白川くん?」と声をかけてみるけど、無反応。
かと思ったら、じわじわと顔が赤くなっていった。
……お?
これはもしかしなくても、優月に惚れちゃったかしら?
優月かわいいもん!しょうがないよ!
「白川くん?どうしたの?」
なんて、意地悪く聞いてみる。
そうしたら案の定白川くんは顔をもっと赤らめて、
「い、いや!?なんでもないっ!!……ほ、ほらっ、試合行くぞ!」
悠真の腕を引っ張って足早に去ってしまった。
残された私と優月。
優月はハテナがたくさん浮かんでるような顔をしてるけど、私はニヤニヤが止まらない。
ふふふ……これは今後が楽しみね!
