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「……あー!負けたー!」
バスケの試合が終わった。
結果はさっきも言った通り、負けてしまった。
私たちのチームのリーダーは、派手系女子たちの一人、富田さんだ。
最初の方は富田さんの統率力もあってか勝てていたけど、運悪く強いチームに当たって負けてしまった。
予想通り、私は棒立ちバスケだったけど。
まったく、私にボール回してれば絶対勝てたのに。
そして予想外だったことがひとつ。
実は優月、めちゃくちゃ運動ができるの!
たまたま優月がいる位置にボールが投げられて、富田さんが仕方なさそうに優月の名前を呼んだあと。
優月がそのボールをキャッチしてドリブルし始めた。
それで敵が優月の周りを囲むんだけど、見事なドリブルさばきで切り抜けたんだ!
そしてそのままシュート!
あのときの感動は忘れないね。
「あ、向葵ちゃん!もうすぐサッカー始まるみたいだよ!」
「もうそんな時間?悠真の応援行かなきゃ!」
私たちは体育館を出ると、急いでグラウンドへ向かった。
「悠真ー!」
「向葵?」
グラウンドに着くと、真っ先に悠真のもとへ走る。
うん、悠真がありえないぐらいの地味男でよかった!
見つけやすくてしょうがない!
