*
「晴れ渡る空。暑くも寒くもないちょうどいい気温……。今日は球技大会日和ね!!」
私は体育館のド真ん中……ではなく、隅っこの方で歓喜の声を上げていた。
「でも向葵ちゃん。私たちは体育館の競技だから天気はあまり関係ないと思うよ?」
隣で体育座りをしている優月が、のほほーんとツッコミを入れる。
「甘い……甘いよ優月!!」
「えぇ?」
驚く優月を後目に、私は言葉を続けた。
「確かに直接は関係ないかもしれないけど、気分の問題よ!外の競技の応援だってできるし!」
悠真はサッカーに出るみたいだし、応援しないとね!
「よくわかんないけど、向葵ちゃんが楽しそうで何より。球技大会頑張ろうね!」
「もっちろん!」
優月と一緒に闘志をみなぎらせていると、試合開始15分前のアナウンスが聞こえた。
私たちは派手系女子たちに目をつけられないように、コソコソとコートの近くまで向かったのだった。
