「ちなみに悠真は何の種目に出るの?」
「俺?俺はサッカーだよ」
サッカー……。
あ、そうか。中学時代はサッカー部に所属していたんだっけ。
悠真はそのかっこよさに加えて、サッカーも上手だったから、サッカー部の女子マネージャーという立場の奪い合いや、試合のときの応援席の取り合いとか、いろいろあったとか……。
「でも悠真、高校ではサッカーやらないって言ってなかったっけ?」
「俺もやるつもりなかったんだけど、白川(しらかわ)が一緒にやろ!ってうるさいから」
「白川?」
聞き慣れない名前。
……もしかして、悠真の友だち!?
「いや、友だちじゃねーよ?」
私が考えていることを感じ取ったのか、呆れたようにそう言う悠真。
なーんだ、友だちじゃないのか。
「白川は、最近俺にやたら構ってくるクラスメートだよ。もしかして、同じクラスなのに名前覚えてないの?」
「うっ!」
「うわ図星」
だ、だって覚えられないんだもん。
最低なのはわかってるよ!
「そ、それで?白川くんと仲良いの?」
「いや別に。あいつが1人で喋ってるだけ」
「なにそれ可哀想……」
悠真に無視されている白川くんという人を想像したら、なんだか不憫に思えてきた。
