「え!?」


マジですか。



言われてみれば、確かにクラスにいたような……。



うわぁ、最悪だ!



いくらまだ入学したばかりだからって、同じクラスの女子を覚えてないだなんて最低すぎる!




「ご、ごめんなさい!!私、人の顔と名前覚えるの苦手で……!!」



「いいんです。もともと影が薄いし、友だちもできたことがないので……」



長いまつ毛を伏せる秦野さん。



悲しげな雰囲気が漂ってきて、どうしようもなく後悔に襲われる。




「本当にごめんなさい!許してくれるなんて思ってないですけど、その……何かできることありますか……?」



「え?」



な、何言ってんの私!



いくら焦ってるとはいえ、意味不明なこと言ってどうする!



秦野さんを見てみると、ぽかーんと口を開けて、何言ってんだこいつ的な目をしてる。




「あ、えっと……意味不明ですよね。ごめんなさい」



この空気に耐えられなくなって何か言おうとしたけど、語尾の方が聞き取れないくらいに小さくなってしまった。