「へ!?」



「あ、あの!本当にすみませんでした!私が走ったせいで……!」



「え、いや……」



「お怪我はありませんか?大丈夫ですか?」



「は、はい」



青ざめた顔をしている女の子。



何度も何度も頭を下げて、私に謝ってくれる。




「私の方こそすみません!私の不注意です」



「いえ……!私が走ったせいです!」



「そんな……。私も周り見ていなかったですし。顔を上げてください」



そう言ってやっと顔を上げてくれた女の子。



うわぁ、めっちゃ可愛い!



黒髪サラサラストレートの清楚系美少女。



大きな目が愛らしくて、守ってしまいたくなるような容姿の持ち主。



……ていうか、どこかで見たことあるような気がする。




「あの……新橋さん、ですよね?」



「え……あ、はい」



私の名前を知っている女の子に首を傾げる。



あれ?やっぱり知り合い?



でもこんな可愛い子、知り合いだったら絶対忘れないのに。



ますます不思議に思って考え込んでいると、




「同じクラスの秦野優月(はたのゆづき)です」



女の子は少し言いにくそうに言った。