ある日の授業中、私は屋上に向かっていた。



もちろん、授業をサボるためにね。



今日も機嫌が悪い永野さんたちの視線が痛くて教室に居ずらかったし……。



最近授業をサボることが多くなってきた。



先生には体調が悪いから保健室に行くって言ってるけど、もうその言い訳も通用しなくなりそうだな。



少しため息をつきながら足を進める。



そして廊下の曲がり角に差し掛かったとき、向こうから走ってきた女の子と思いっきりぶつかってしまった。




「うわぁ!?」



「きゃっ!」



そのままの勢いで尻もちをつく。



じーんと痛みが広がって、思わず涙目になった。



い、痛い……。



絶対痣になるよ、これ!



って、そんなこと言ってる場合じゃないか。



相手の子を助けないと!




「すみません!大丈夫ですか?」



痛むお尻をさすりながら、女の子に手を差し伸べる。



私の手に気づいたその子が顔を上げ、目が合った瞬間、




「す、すみません!」



女の子は飛び上がるようにして立ち上がった。