雅side
雨がザァーザァーと降る中
自動販売の横でうずくまっている。
何時間こうしているのだろうか。
雨のせいで身体が冷えて感覚はほぼない。

意識がボォーっとしてきた時に
雨が止んだ。

見上げるとそこには
傘を持った一人の男が。

「どうした」

「……」

「おい、聞こえてるのか」

誰かの声が耳に届くが意識が遠のいて
うまく声が出せない。