涙で視界がぼやける。
…こんな所になんか来なければよかった。
部活が早く終わったからって、まっすぐ家に帰らなければよかった。
寄り道でもすれば良かった。
リビングの扉なんて開けずに、自室に籠もれば良かった。
そしたらあんな光景なんて見ずに済んだのに…
いつのまにか、私は自分で息をするのさえも辛くなっていて、自分が過呼吸になったことに気がついていなかった。
気がつけば、
「沙織!ゆっくり息吸え!そんでゆっくり息吐け!な?出来るだろ?」
何故か私より焦っている秀虎がビニール袋を私の口元に当てて、額からは汗が滴りそうだ。


