空に向かって



「お前沙織だよな!?」

ガシッと背負われたままの私を揺さぶる男の子。

ちょ、危ない!落ちるってば!!!



「ちょっと秀虎、危ないだろ」

水樹さんが男の子の事を秀虎、そう呼んだ。

「あ、あぁ。悪い悪い」

悪びれもなく、ニカっと笑う男の子。



「…ひで、とら?」

「おう!」

私がそう呼ぶと、男の子は八重歯を覗かせて笑った。


「…あ」

そうだ、思い出した。