「ここじゃ暑いし虫くるでしょ?移動しない?」 突然立ち上がり、手を私の方へ伸ばす。 どうせいく当てなどないのだから、どうにでもなれ。そう自暴自棄になっていた。 その手を取ると、「乗って」そう言って私の前に水樹さんは背中を向けて腰を下ろした。 「……え?」 突然のことでどうして?と首を傾けると、 「靴、履いてないじゃん」 靴、と指を指す。 私は今更ながらに自分が靴も履かずに家を飛び出してきた事を思い出した。