「あ〜ら、アンタこんな所で何してるのよ」 大きな紫色のバイクから降りてきて、私の目の前を塞いだ人物は不思議そうに私を覗き込む。 爆音を奏でて倉庫へと帰ってきた人物達は、私に視線を集中させる。 「虎待ち?アンタ虎待ってんの?」 着ていた制服のズボンのポケットからスマホを取り出した照彦は何やら画面をタッチして操作をしている。 直感的に、 「秀虎に連絡しないでっ!」 そう叫んでいた。 まさか私が叫ぶとは思っていなかった照彦は目を少し見開いた後、すぐにスマホをポケットへとしまった。