あ?じゃねーし!! 「カバン!」 そう叫ぶと、誰もいない廊下に声が響く。 「…取ってこい」 パッと離すと早く行けと態度で訴えかけてくる。 「ここで待ってる」 「…うん」 私は渋々自分の教室へと戻ると、 「沙織ー!どこ言ってたの?」 休み時間なのか、自由時間なのか、麻美は鏡とにらめっこしていた。 「サボってたー」 長いまつ毛にマスカラを塗っている麻美は目が半開きでお世辞にも可愛いとは言えないけど、普通にしてたらまじで可愛い。