照彦に気づかれないように、その場を去ることしか出来なかった。 卑しい人間、薄情で酷い人。 そして自分の彼を好きな嫉妬深い女。 青木から見たら私なんてそんな人間としか映ってないんだろうから。 走って走って、走って。 どれくらい走っただろうか。 気がつけば家の前に居て、自力で帰ってきたってことは足がパンパンになっている事でわかったんだけど。 履いていた下駄は右足の片っぽが無くなっていて着ていた浴衣はアスファルトに倒れ込んだり、裾踏んだりと汚れてしまった。 これじゃあもう来年は着られない…