空に向かって



「アンタ頑張ったじゃないの」

頰をトントンと軽く叩く。

頑張った、その一言でこの一件が終わったことの実感が湧いた。


「やめて下さい」

痛いんで、とは言わなかった。

痛いと知られたくない。女らしさをみせたくなかったのが本音。

「手当するから倉庫いらっしゃい」

ニコリと微笑む照彦は相変わらずオネエ口調で優しくそう言う。

「結構です」

そうキッパリと断る。


「はぁ?何でよ?普通は来るって言うもんじゃないの?」

やになっちゃうー、なんて腰をくねらせる。