空に向かって



「…きゃ!」

え?こんな時に!?

はだけた浴衣の裾を踏んで、後ろに倒れる。

その瞬間がなんだかスローモーションみたいに見えて、笑えた。

あ、当たる。

松木が振りかざした金属バットは私めがけて振り下ろされた。


ギュと目を瞑ってくる痛みを覚悟した。




が、いつまでたっても痛みはこない。

いや、痛みはきた。

左腕が尋常じゃないくらい痛いけど。倒れた拍子にアスファルトに思いっきり左腕打ち付けたけど。


金属バットによる痛みは来ない。