空に向かって



「女は男に殴られたり、拉致されたりする為に生きてるんじゃない!そんなこともわかんないの!?ばっかじゃな…っ!」

もうちょっとで言い終わるときだった。



「調子乗るなって言ったよな?」

再び同じ所を殴られた痛みで顔を歪める。

…だけど青木はそれ以上に、もっと怖くて痛い思いをして来たんだ。


「アンタたちは絶対負ける」

断言してやる。


フンっと勝ち誇ったようにそう言ってやれば、松木は顔を真っ赤にして金属バットを振りかざしてきた。

素早く青木を端へと寄せて、はだけた浴衣を気にすることもできずに反射的に避ける。


目の前でブンッと大きな音がして、地面のアスファルトと金属音が部屋中に響く。