「麻美」

にこりと麻美に微笑むと、彼女は青木のカバンを漁り始めた。

お目当てのものを見つけると、ぽいっと私へと投げてよこす。

「へぇー結構入ってんじゃん」

財布を覗けば2万ちょっと。

これでカラオケ行けちゃうし、ゲーセンも行けるじゃん。

「募金ありがとうね」

最後に空になった財布を座り込んでいる青木の頭にポンと置き、私たちは夜の街へと出かけた。