空に向かって



なんで急に?とか今更?って言うよりは驚きの方が勝っていた。


「よく顔出せたね」


久々の再会で、口から出た言葉は毒だった。


本当にそうだと思う。だってそうでしょ?

あんな事がなかったら、私はまだバレー続けてたかもしれないし、家族がバラバラになる事は無かった。

今更逢いに来られたって困る…


「沙織、怒ってるでしょ」

「それは何に対しての事?」

「あの時のこと」


こんな話コンビニの前、しかもクッソ暑いのにする話じゃないでしょ?

「わかってるなら、もう二度と顔出さないで」

昔と変わらず、能天気というかなんというか。

空気が読めないと言ってしまえばそれまでだ。


今にも泣き出しそうな母の横を過ぎ、帰路へと足を進める。

後は振り返らない。振り返れない。

もうあの頃には帰れないんだから…