悟史は我が子を見ていた

本当に良い子に成長した

良い子に育てたのは亜沙美の教育の賜物だ

自分はその成長には‥‥

関わってはいない

我が子なのに‥‥

「大人になったな玲音‥‥」

「まだガキだよ父さん‥‥
だけどさ最近想うんだ
そんなに早く大人にならなくても良いかなって‥‥
子供の時は早く大人になりたかったよ
でもさ最近は‥‥もっと子供の時を楽しんでいても良いんだって想えるんだ
だからさ俺は大学に逝くよ
じぃちゃんが行けって煩いんだ
お前を大学に行かせてやる位の蓄えはあるって、全財産を俺に貢いでくれる気満々なんだ
俺は大切にされてるよ
ばぁちゃんも俺の世話をせっせとしてくれる
母さんよりも、だぜ!」

玲音はそう言い笑った

幸せな笑顔だった

悟史はそんな我が子を愛していた

この子が自分の子だと‥‥DNAが訴えていた

「玲音、父さんも玲音に負けない位‥‥幸せになるよ
だからお前が成人するまで‥‥お前にお小遣いをやる位の金額しかやれないけど、続けさせてくれ!」

「無理しないでよ父さん」

「無理なんかしないさ
俺には責任がある‥‥今の家族を養わねばならない責任が‥‥
そんな中でお前に‥‥繋がっていられる喜びなんだ」