父に向き合っていなかったのは‥‥
俺も‥‥母さんも‥‥父さんも‥‥
家族がバラバラの方を向いていたんだ
「父さんが責任を感じる必要はないよ」
「玲音‥‥」
「誰も悪くない‥
誰も悪くないのに‥‥皆責任を感じてる
母さんも父さんを追い詰めたのは私だね、と‥‥責任を感じてるよ
だからこそ楽にしてやらなきゃって想ってたって‥‥
でも俺がいたから‥‥母さんはそれを言い出せなかったんだ
だから俺は‥‥母さんにもう良いよって言ったんだ
俺のせいで我慢しなくても良いよって‥‥
だからある意味‥‥俺もいけなかったのかも知れないなって想ってる
俺は‥‥父さんを解ろうとしなかった
だから背を向けて遠ざかった‥‥
結局‥‥家族になろうとして、家族になれなかっただけの事だよ」
子供の成長は早い‥‥
こんなにもこの子は大人になっていた
大人にさせたのは‥‥親の責任だ
大人にならざるえを得なかった現実のせいだ
