「この町は狭いわ
あなたの事は会社でも、この町でも噂になってるわ!
玲音に至ってはサッカーの試合であなたが‥‥女の子の手を引いて歩いている姿を小学校の時見たそうよ‥‥
玲音はね、女の子に変装してあなたとあなたの家族を見に行ったのよ
あなたは玲音に気付かずに横を通り過ぎて行ったと言ってたわ
あなた‥‥女の子が欲しかったの?
だったらごめんなさいね
女の子を産めなかった私に非はあるわね」
「違う!違うんだ亜沙美‥‥
そうじゃない‥‥そうじゃないんだ
真依も可愛いが、玲音も同じ位‥‥いやそれ以上に‥‥愛している」
悟史が言うと玲音は重い口を開いた
「父さんは一度もサッカーの試合も授業参観も来てくれなかったね
そればかりか‥倒れた母さんの見舞いにも来なかった
週末は必ず出張優先、だからさ俺達は諦めたんだ
父さん、あなたに何も期待しないと決めたんだ
だからさ、俺の父さんはもう要らないんだ
あの子の父さんでいてやれよ!
俺は新学期に向けて姓を変えて貰いたい
途中で姓が変わるのは御免だ!
父さん、あなたは俺の為に何一つしてくれなかったじゃないですか!
恨み言でなく、一つだけ我が儘を言わせて下さい
一つだけ我が儘を聞いて下さい
どうか母さんと離婚して下さい!」
玲音はそう言い悟史に深々と頭を下げた
