雪は泣き始めた。


僕は、雪が眠るまで、ずっと優しく抱きしめた。




「あら、おはよう雪。ちゃんと眠れた?」


母さんが、雪に優しく問う。


「うん、眠れたよ。」


「そう、良かった。朝ごはん出来てるよ。」


今日の朝ごはんは目玉焼きだ。


だけど、食卓に並んでるのは


父さん、母さん、雪の分だけ。


「僕のは…?」


ないってぐらい分かってるけど…。


「え?なに?昨日、雪が危なかったのよ?ないわよ。」


そうだ。1番苦しいのは、雪なんだ。


「すいません、雪の学校の用意をしてきます。」