目を覚ますと、見覚えのあるカラー。
そして、匂い。

戻ってきた、と思った。

その証拠に体は、覚えている感覚より数段と動きにくい。

ベットから上半身起き上がるだけでも疲れる。

壁に掛けてある鏡をみて、
明らかに10年分の時間を生きてきた顔に変わっていて
絶望感と、悲しさが湧き上がる。


もう少しだけ、いたかったな。

まだ残る景都の体の感覚。

いまも昔も景都は変わらなかった。

10年後、景都はますます綺麗だったけど、高校生の景都もとても綺麗だった。

17歳の景都と約束したように、
景都にきちんと自分の気持ち伝えよう。
のこりの時間が少なくても。

きっと、景都になら伝えても大丈夫。
自分勝手な行動だけど。