俺と景都が出会うのは、すこし先のこと。


もうすぐ厳しい寒さが終わりかける二月。
白い、消毒液のにおいが立ち込める建物のなかで、俺は生活していた。

高校1年の秋くらいから不調は感じていた。
時々息苦しくなったり、
胸が痛くなったり

でも一過性のもので
休めばよくなっていたし
あまり深刻には考えなかった。


楽しい高校生活送る中で、忘れていた、というのが正しいかもしれない。

でも、クリスマスイブの朝、それは突然起きた。

朝から胸の違和感。
ぎゅっと締め付ける感覚がなかなか治らなくて
呼吸もできなくて
家の中で倒れてしまった。

目がさめると白い天井が見えて、
たくさんの点滴に繋がれていた。

どうやら、おれは心臓に疾患があって、長くても30までは生きれないらしい。

いきなりの余命宣告。

ゆくゆくは、
移植か難しい手術しかないと言われた。

今はまだ薬でなんとかなるから、
定期的な検査と服薬で様子を見ることになった。

生活に制限はまだなかったから普通に学校生活も送っていた。

激しい運動だけ制限はされたけれど、
特別不自由はなかった。


普段と変わりなく生活をしつつも
いつか死ぬかもしれないということが頭から離れなくて、自暴自棄になっていた。