俺と喋らない彼女との幸福な生活。


彼女は無表情で俺の話を聞いていた。


朝は少し打ち解けたように感じたが、まだ何かあるのだろうか。


だとしたら、こういう話題には気を使わなくては。


「…ねえ、怒った?」


彼女はあまり嫉妬をあらわにするタイプではないけど、

もしかしたらその分溜め込んでしまっているのかもしれない。


「…どっちにしても、ごめん。他のやつの話なんかして」


「せっかく俺ら二人きりでいるのに…無粋だよな」