俺と喋らない彼女との幸福な生活。

「…うん、分かってんじゃん」

「ありえないよ、お前を嫌いになるなんて。むしろ心配なのは、俺の方」


そう。

いくら相思相愛とはいえ、こうやってすれ違ってしまうこともある。

いつか、彼女に愛想をつかされないとも限らない。


「…お前は俺を、嫌いになったりしない?」


尋ねると、彼女は、俺から視線を泳がせた。